帝が溺愛した更衣とのあいだに、第二子として誕生したのが光源氏です。帝にはすでに弘徽殿の女御とのあいだに第一皇子がいます。順当に考えれば、この第一皇子が皇太子(東宮)の座に就くべきなのですが、あれほど寵愛された更衣の子だ …
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8 最愛の人の死
桐壷帝の正妻は弘徽殿女御で、帝の東宮時代からの妃にして、第一子(のちの朱雀帝)の母です。右大臣の娘なので押しが強い。桐壷更衣の父も大納言まで登った人ですから、身分が低いというわけではないのですが、故人ということもあり立 …
桐壺更衣とは誰か|光源氏の母と身分制度の力学(第7回)
桐壺更衣とは、光源氏の母となる女性です。「更衣」は女御より下の身分で、後ろ盾の弱さが宮廷での孤立を生みます。この記事では桐壺更衣の立場と悲劇の背景を、最短で整理します。 さて、ここからは物語の内容を順に追っていきまし …
6 『源氏物語』の物の怪
もちろん『源氏物語』の時代といえども、やたら加持祈祷のようなことばかりやっていたわけではありません。律令制のもとでは、陰陽寮とか典薬寮といった機関が置かれていました。陰陽寮の技術官僚みたいな人たちは、陰陽道に基づく呪術 …
5「物の怪」ってなんだろう?
『源氏物語』には物の怪がたくさん出てきます。「物の怪」というと、いまの若い人たちの多くは宮崎駿のアニメを思い浮かべるかもしれません。でもあの映画でモノノケの正体ははっきり明かされていませんよね。 古い時代に「モノ」は …
4 『源氏物語』の主題ってなんだろう?
いくつもの主題が重層していて、いろんな読み方ができるというのも『源氏物語』の魅力ですね。たとえば政治小説的な読み方をすればどうでしょう?ご承知のとおり、物語の背景には藤原氏による階位の独占、いわゆる「摂関政治」がありま …
3 光源氏の結婚
光源氏の奥さん、正妻は二人です。一人は葵の上、もう一人は女三の宮です。光源氏がいちばん心を通わせ、愛したはずの紫の上は正妻ではありません。世間的には側室、妾という立場でした。後ろ盾もなく、天涯孤独だった娘を、源氏が引き …
光源氏の生涯を読む|70年の人生と源氏物語54帖の構造(第2回)
光源氏の人生は、なぜ70年にもわたって描かれたのか。源氏物語は、一人の男の栄光と衰退を通して、平安社会を描いた物語です。その全体像を整理します。 まず物語の全体を概観しておきましょう。『源氏物語』は54巻(帖)よりな …
1 はじめに
今年はみなさんと一緒に『源氏物語』を読んでいこうと思います。といっても、特別な趣向があるわけではありません。ただ漫然と、といいますか、最初の巻(帖)から順番に読んでいくというだけの話です。そもそも、ぼく自身がこの作品に …